高温多湿の場所に保管しない。

コーヒーの保管に最適な気温・湿度は「春先の気候」です。
具体的には、気温が20度前後で湿度も30~40%、つまりは人間が快適と感じるのと同じ条件が最適と言えます。
空気に触れない

コーヒーの経時劣化は、空気に触れることでスピードが速まります。
そこで保管の際には、密封できるビンに入れる。或いは豆の入っている袋を更にチャック式のビニール袋(市販の冷蔵冷凍保存袋)などに入れておくことも重要です。
冷蔵・冷凍保存

購入後数日中に飲みきれないことが分かっている場合は、
市販の冷蔵・冷凍用のチャック袋に入れて冷蔵庫や冷凍庫に保存することをお勧めいたします。

冷蔵・冷凍することによりガスの放出スピードが緩やかになり、風味の低下速度をゆるやかにできます。

豆を挽いて購入した場合は、飲みきる日数に関りなく冷蔵・冷凍保存をお勧めします。
冷蔵・冷凍時の注意点

購入後3週間程度で飲みきれる場合は冷蔵保存、
1ヶ月程度かかりそうな場合は冷凍庫保存をお勧めします。

購入後直ぐに(経時劣化が始まる前に)冷蔵・冷凍保存をしましょう。
コーヒーを淹れるときは、冷蔵庫や冷凍庫から出して、豆全体を常温に戻してから、
豆を挽いて抽出して下さい。

その場合、均一に解凍できるよう平らなお皿などに広げて10~15分放置し、常温解凍して下さい。

一度冷蔵・冷凍した豆は、常温保存していたものに比べて、
常温に戻した後の劣化スピードが早くなります。

飲む度に必要な分量のみを常温に戻して使用して下さい。

焙煎豆の鮮度

「コーヒーの鮮度」と言った場合、2つのことが考えられます。
一つは、焙煎前の珈琲豆=生豆の鮮度。
もう一つは焙煎され茶色く色づいた一般に見かける「コーヒー」の鮮度です。

ここでは、お客様が通常購入する焙煎後のコーヒーについて述べます。

コーヒーは、焙煎直後から内部ガスを放出していきます。
このガスこそ香り成分なのですが、面白いことに焙煎して2~3日は、あまり香りを感じられません。
焙煎後3日程度経過したころから、香りが豊かになると共に苦味やコクも急速に出てきます。

下のグラフは、平均的なコーヒーが経時変化によって風味がどのように変化するかを現したものです。
※豆(挽かない)の状態で、冷暗所に保存した場合です。

このグラフでも分かるように、香りは1週間目前後にピークを向かえ、その後緩やかに下降していきます。
一方、苦味とコクは緩やかな上昇を続けますが、2週間前後を境に、苦味成分が香りを上回ります。

3週間ほど経過すると、香りを殆ど感じられなくなり、悪く言えば苦いだけのコーヒーになってしまいます。

そして、これ以上経過したコーヒーは、普通の食料品同様「酸化」を始めます。
焙煎されてコーヒーは、茶色く色づいていることから、酸化してしまっても見た目には判断がつかないため、経時劣化したコーヒーを口にしている場合が少なくありません。

珈琲の賞味期限は、焙煎からおよそ2~3週間です。
珈琲は焙煎直後から成分の化学変化が始まり、豆の種類や焙煎度合いにもよりますが、香りやコクがバランスよく出てくるのが、焙煎後3、4日経過したころです。

豆のまま(挽かない状態)で1~2週間目あたりが上質な香りのピークとなり、3週間以上経過すると、珈琲豆に含まれる諸成分が酸化を始めてしまいます。

よく「珈琲を飲んで胃もたれがした」などと聞くのは、「体質が珈琲に合わない」と言うより酸化してしまった珈琲を飲んだためであることの方が多いのではないでしょうか?

風味の劣化を防ぐには、少量ずつ購入すること、正しい保存をすること、
飲みきるまでに時間がかかりそうなら冷蔵・冷凍保存することが重要です。